Flateyjarbók (GkS 1005 fol)
フラート島本

225枚の羊皮紙からなるアイスランドで記されたサガの集大成の一つ。1380年代〜1400年頃にアイスランド北部の2名の作者によって記されたとされている。これにはノルウェイ王詩(Noregs konunga tal)とフュンドラの詩(Hyndluljód)を含み、いくつかの詩が残されている。その他は一般的にヴィーンランド・サガと称されるアメリカ大陸方面へのサガ、赤毛のエイリークのサガ(Eiriks saga vidfö)、グリーンランド人のサガ(Grœnlendinga saga)がある。また、オーラヴ・トリュグヴァッソンのサガ(Ölafs saga Tryggvasonar)、聖オーラヴのサガ(Ölafs saga helga)、オークニー諸島人のサガ(Orkneyinga saga)、フェロー諸島人のサガ(Fœreyinga saga)、ヨームスヴァイキングのサガ(Jómsvikinga saga)、スヴェッレ王のサガ(Sverris saga)、ハーコン・ハーコンソン王のサガ(Hákonar saga Hákonarsonar)、エイムンドのサガ(Eymundar saga)など多くのサガが含まれている。ヘイムスクリングラなどにも含まれている王のサガなどで構成されているが、この写本でしか書かれていないことも少なくなく、価値のある写本の一つである。

シグルズ伝説が残されているっぽい詩

聖オーラヴ王に仕えることになったソルフィンというスカールド詩人は王に即興詩の作詩を命じられる。彼は宮廷に掛けられていたタペストリーに描かれていたシーンにちなむ詩を作る。それがシグルズ伝説に関連する詩であったと推測される。シグルズが龍を剣で刺し、その心臓を焼くシーンを描写していると思われる。

フラート島本 オーラブ聖王のサガ
ソルフィン作詩の詩
Geisli stendr til grundar
gunnar jarðar munna
Ofan fell blóða á báðar
benskeiðr, en gramr reiðisk.
Hristisk hjörr í brjósti
hringi grœnna lyngva,
en flokþorinn fylkir
ferr við steik at leika.
光線が突き立たるのは草原の
戦の大地の口(穴)。
血が流れ落ちるのは両
傷の船(剣)、王は怒れり。
震える剣は
緑のヒースのリング(龍)の胸で、
雄々しき王は
焼肉に驚嘆する。
(06/06/16)

戻る