スコーネ・クルトゥーレン博物館の敷地内の石碑

スコーネ地方・ルンドの野外博物館クルトゥーレンの敷地内(ここは誰でもはいれる)に展示されているスコーネ地方のルーン石碑。ストックホルムから8時間ぐらい。コペンハーゲンから1時間〜2時間ぐらい。

スコーネ地方(昔デンマーク)は繊細なウプランドの石碑(ウルネス様式の石碑は11世紀頃)とは違って大胆で、巨人や、狼などのモチーフが多いような気がします。

- Hunnestad stone 1 -
DR282

150 x 170cmの石碑。11世紀。
石碑に描かれている斧を持った男については様々に解釈されており、偲ばれた本人やそれ以外の人物の名称がかかれはいない。そして信仰の神や巨人などとも理解することもできるかもしれない。

Transliteration :
x sburn x au(k) x tumi x þaiR x sautu
x stain x þansi x a(f)[t]iR x rui x auk
x | laikfruþ x sunu x kuna x han[t]aR
x Esbern


エスベルンとトンネ、彼らは「手」のグンネの息子達のレーとレグフレズの思い出にこの石碑を建立した。

- Hunnestad stone 2 -
DR283

110cmの大きさ。上の石碑と関連していると思われる。11世紀。



Transliteration :
x sburn x sati x stain x þansi x aftiR x tuma
x sun x kuna x | hantaR x


エスベルンは「手」のグンネの息子のトンネの思い出にこの石碑を建立した。

- Hunnestad stone 3 -
DR284

180cmの大きさのヴァイキング時代に作られた(11世紀)、絵画石碑。北欧神話をモチーフにしたものと推測されている。

蛇の手綱を持ち、狼の馬に乗る女巨人ヒョルッキンを描写していると思われる。








こちらの石碑のモチーフについて詳しい解説は以下のサイトをご参照ください。

jinn's mediaevalia (jinnの中世幻想迷宮) から北欧神話事典のセクションのヒョルッキンの項

- Skårby stone 1 -
DR280

240cmの大きさ。この石碑は1000年頃以降に立てられたもので、グスナヴァの村を所有したトンネの追悼である。

イェリングの獣を模したものであろうと推測される。


Transliteration :
x kaulfR x auk x autiR x þaR x sautu x stain
x þans(i) x aftiR x tuma x bruþru x sin
x | i(R)ati x ku | þis x sanb | a x


カウルヴとアウテ、彼らは彼らの兄弟の、グスナヴァを所有したトンネの思い出にこの石碑を建立した。

- Bjäresjö stone2 -
DR 288

Transliteration :
x aki x sati x stain x þansi x aftiR x ulf
x bruþur x sin x harþa x kuþan x trak x


オーゲはこの石碑を彼の兄弟のウールヴ、非常に高貴な若者の思い出にこの石碑を建立した。



いくつかの石碑に見られるこのdrengという単語は若者、勇者などというような意味。古期アイスランド語ではdrengrで、1)大胆な者、勇敢な者2)若者、未婚の男3)随行者4)仲間などの意である。

- Dagstorp stone -
DR325

Transliteration :
x si(k)mtr x sati x stin x þansi
x iftiR x klakR x faþur x sin x


シグムンズはこの石碑を彼の父のクラクの思い出に建立した。

11世紀。

- Dalby stone -
DR298

115cm。多くのルーン・マスター(ルーン石碑彫刻師)はハンマーとノミの扱いに堪能である。しかし彼等は大抵読み書きができないと思われる。そしてこの彫刻師もその1人であろう。

実碑文
þurkiR : raþi : stin : þan . .
| at : itinkil : faur : sin : kuþn :
| buta : as liki : hu(k) . . .


この碑文は恐らく以下を意図しているのであろう

訂正したTransliteration : の場合
þurkiR : raisþi : stin : þansi
| a(f)t stinkil : faþur sin : kuþan :
buta : as(もしくはis) . . .


ソルゲルは、山(?)に横たわる、「良き」家長の、彼の父の、ステンケルの思い出にこの石碑を建立した。(はしの部分は全体的に乱れている)

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